本展は、表現手法のまったく異なるふたりのアーティスト、立体作家・吉田朗と平面作家・いしかわかずはるの展覧会です。
硬質なガラス繊維強化プラスチックを主な素材に樹脂彫刻を通して社会問題を描く吉田に対し、柔らかい「糸」を使って日常的なあたたかい風景を描くいしかわ。どちらも描こうとしているのは、「今」私たちが生きている世界です。
展覧会タイトルの「Two ways towards...」 には、「2つの異なる制作手法が描くその向こう」という意味だけではなく、「ふたりの作家がひとつの空間に集うことで未知なる新しい世界を産み出したい」という願いが込められています。
ふたりの作家が作り出す不思議な調和をお楽しみください。
作品
吉田 朗
《犬張り子 Black Occupied》
2019年
ガラス繊維強化プラスチック、ウレタンおよびラッカー塗装、エラブラシによる彩色
300×300×150 mm
《犬張り子 Occupied Tokyo》
2019年
ガラス繊維強化プラスチック、ウレタンおよびラッカー塗装、エラブラシによる彩色
930×880×420 mm
《犬張り子 JPNSDF Pink》
2019年
ガラス繊維強化プラスチック、ウレタンおよびラッカー塗装、PVCフィルム
300×300×150 mm
吉田 朗
《犬張り子 Black Occupied》
2019年
ガラス繊維強化プラスチック、ウレタンおよびラッカー塗装、エラブラシによる彩色
300×300×150 mm
《犬張り子 Occupied Tokyo》
2019年
ガラス繊維強化プラスチック、ウレタンおよびラッカー塗装、エラブラシによる彩色
930×880×420 mm
《犬張り子 JPNSDF Pink》
2019年
ガラス繊維強化プラスチック、ウレタンおよびラッカー塗装、PVCフィルム
300×300×150 mm
Courtesy: artists and YUKARI ART
オープニングパーティー/アーティストトーク
日時:2020年1月10日(金)18:00~20:00
会場:六本木ヒルズA/Dギャラリー
料金:無料
吉田 朗/Yoshida Akira
1976年、神奈川県生まれ。2002年、多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。
職人並みの細かい手仕事を得意としており、現代社会が抱える問題や矛盾を風刺的、かつ優美に表現する。一見ポップで美しい吉田の作品には観る者をドキリとさせるアイロニーが込められており、作品のビジュアルと描くテーマの強烈なギャップが魅力。香港最大の鉄道会社「MTR」の駅構内に作品が常設展示されている他、日本一の宝くじ売り場、西銀座チャンスセンターの招き猫「宝猫」の制作など公共アートの分野でも活躍中。
いしかわかずはる/Ishikawa Kazuharu
1977年、奈良県生まれ。2002年、多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。
「糸」で描く「線」の画家。常にペンとノートを持ち歩き、捉えた光景をシンプルな線で描いたものをキャンバスや壁、窓などへ糸を用いて表現(再現)する。香川県・直島内に点在する民家の外壁に描いた作品でよく知られている。様々な場所へ出向き、その場にあった作品を制作する活動を「線の旅」と名付け、生み出された線が世代や国境を越えて人々の心をつないでいくことを目指しており、2016年には韓国の美術館でも滞在制作を行った。トヨタ自動車の企業広告のための作品制作や谷川俊太郎氏らによるコンサートチラシへの作品起用、アニエスb.(agnès b)青山店のショーウインドーに作品を制作するなど幅広く活動中。
「犬張り子」と「だるま」のふたつのシリーズ作品を制作しています。どちらも現代日本を形づくる日米の関係をモチーフにしています。
吉田 朗
私のすぐそばにある小さな平和を描きました。
小さく生まれた我が子が上手に鉛筆を持つまでのダイジェスト公開日記のような作品群です。
いしかわかずはる