大久保紗也は、輪郭線として表現される記号的なイメージと、物質感を伴う抽象的な像のうねりという、2つの分離した要素を共存させた絵画を制作しています。その作品は、磨いたアクリル絵具の下地や、立体的な油絵具の層、人体の様々なパーツやポーズを描いたドローイングをもとに切り出された線など、様々なレイヤーによって構成されています。本展では、アルフレッド・テニスンの詩から着想された新作のペインティング作品十数点を発表いたします。
作品販売方法のお知らせ
本展覧会の作品をご購入希望の方は、以下の期間に会場にてエントリーを受け付けます。
期間:2022年8月19日(金)~8月25日(木)
時間:12:00~20:00
場所:六本木ヒルズA/Dギャラリー(六本木ヒルズ ウェストウォーク3階)
※受付は会場のみとさせていただきます。
※電話やメールでのお申し込みはできません。
※購入希望の作品が重複する場合は、抽選とさせていただきます。
大久保紗也/Okubo Saya
1992年 福岡生まれ
2015年 京都造形芸術大学美術工学科油絵コース 卒業
2017年 京都造形芸術大学大学院芸術専攻ペインティング領域 修了
現在京都を拠点に活動中
個展
- 2018年
- 「a doubtful reply」WAITINGROOM、東京
- 2020年
- 「They」WAITINGROOM、東京
- 2022年
- 「We are defenseless. / We are aggressive.(無防備なわたしたち/攻撃的なわたしたち)」
日本橋三越 三越コンテンポラリーギャラリー、東京
グループ展
- 2015年
- 「HERE I AM KUAD × TUNA交流展」Na pai Art Gallery、台北
「HOP2015」Galerie Aube、京都
「2014年度 京都造形芸術大学 卒業展」京都造形芸術大学、京都 - 2016年
- 「movement 2016【1st movement】」ARTZONE、京都
「SPERT 2016」Galerie Aube、京都 - 2017年
- 「NEWSPACE」WAITINGROOM、東京
「第4回CAF賞入賞作品展」代官山ヒルサイドフォーラム、東京
「美大生展2017」SEZON ART GALLERY、東京
「2016年度 京都造形芸術大学大学院 修了展」Galerie Aube、京都 - 2019年
- 「大鬼の住む島」WAITINGROOM、東京
- 2020年
- 「10TH」WAITINGROOM、東京
「ビューイング展」WAITINGROOM、東京 - 2021年
- 「ビューイング展」WAITINGROOM、東京
- 2022年
- 「SPRING SHOW」WAITINGROOM、東京
アワード
- 2017年
- 第4回CAF賞 白石正美賞
協力
- WAITINGROOM
子供の頃よく見たアガサ・クリスティの本の背表紙。その中の1冊にテニスンの詩を引用したタイトルがあったことを思い出す。塔の中の彼女は鏡を通して世界を見る。
誰に言われたかもわからない呪いを信じてひとり機を織る。アトリエで自らの行為を内省しながら描く。誰に言われたわけでもないが、少しずつ痕跡を消しながら。左右の身体のずれ、動きのずれ、認識のずれ。左手と右手にそれぞれペンを持ち、対照にドローイングをする。少しずつ輪郭を崩しながら同じ、でも違う像を生成していく。ディスプレイを通して世界を見る私はひび割れた画面で指先を切った。痛みが此方と彼方を分ける。適度に痕跡の消えたタブローは、シャロットの姫が織った布とひび割れた鏡、そのどちらにも似ていると思う。
大久保紗也