龍口経太「Next」

大作からドローイングまで、直近の作品のみで満たされる空間

2019.9.20(金)~ 10.14(月)

龍口経太は、メイド服を纏う女性などの現代的なモチーフに、古来より伝わる神話の幻想性を織り込んでいく構成により、繊細さを備えた独特の気配をつむぎ出します。それらを実現させる日本画家としての技量の高さも特筆すべき点で、輪郭や頭髪などを描写する曲線は緊張感と豊かさが同居し、瞳の描き込みにおける緻密さには凝視を余儀なくされます。また例えば墨による黒が放つ質感を取っても、ある箇所では艶かしく、一方では立ち上る煙を彷彿とさせるような浮遊する気配へと転化させていきます。さまざまな空気感を描き分け、決して過度に色彩情報へと傾くことなく、ひたすらクラシカルな日本画の要素に留まったままより一層の深みへと自身の世界を推し進めてきています。

大作からドローイングまでの龍口の直近の作品のみで満たされる空間は、ある意味身近なはずの情景にもかかわらず、むしろだからこそ、痛みの伴わない細い針が鑑賞者の感性を穿ち覚醒を促すかのように、未体験の清々しさを伴う緊張感を届けます。

オープニングパーティー

日時:2019年9月20日(金)18:00~20:00
会場:六本木ヒルズA/Dギャラリー
料金:無料


作品

《朱頭巾》
《朱頭巾》
2018年
墨、顔料、和紙
830×520 mm
《髮巡》
《髮巡》
2019年
墨、顔料、和紙
677×401×27 mm
《水月鏡花》
《水月鏡花》
2018年
墨、顔料、和紙
687×461×27 mm
《朱頭巾》
《朱頭巾》
2018年
墨、顔料、和紙
830×520 mm
《髮巡》
《髮巡》
2019年
墨、顔料、和紙
677×401×27 mm
《水月鏡花》
《水月鏡花》
2018年
墨、顔料、和紙
687×461×27 mm

龍口経太/Tatsuguchi Keita
1972年生まれ

2019年
グループ展「Mechanical Sensations」六本木ヒルズA/Dギャラリー、東京
グループ展「COBRA×現代美術家 コラボ展」Gallery Suchi、東京
2018年
個展、NO.12 Gallery、東京
2017年
グループ展「静物2017」ex-chamber museum、東京
基本情報
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