宮本京香の作品は、女性が登場する一方で、人物よりも大きな面積を占めるのはアニメやマンガ、ゴスロリファッションなどから引用した独特の装飾的背景物です。これらの背景物は、サブカルチャーやポップカルチャーからの影響が色濃く反映されており、宮本の作品の特徴的な一面となっています。ファインアートの枠組みにサブカルチャーを取り入れ、写実的に描かれた世界観は、鑑賞者に二次元と三次元の間を行き来するような独特の体験をもたらします。日常と非日常の境界が曖昧になることも、宮本の作品の魅力のひとつです。
本展では日本画や洋画に加えて、オイルパステルを用いた作品も展示いたします、異なるスタイルや技法から生まれる多様な作品をお楽しみください。
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《渇望の理 f(フォルテ)》
2024年
油彩、木綿、パネル
72.7×72.7 cm
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《渇望の理(type.G)》
2023年
青墨、水干絵具胡粉、高知麻紙、パネル
45.5×53 cm
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《愛をあげる》
2023年
オイルパステル、クレパス、水彩紙、パネル
31.8×41 cm
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《盲目の理(type.D mini)》
2023年
オイルパステル、クレパス、水彩紙、パネル
45.5×38 cm
宮本京香
2018年多摩美術大学美術学部 絵画学科日本画専攻卒業、2020年に多摩美大大学院修了。
私が描く絵は、機械や楽器、人形、おもちゃなど、様々な物が人物の装飾として描かれることが多い。これは俗世で人が背負う業を視覚化して描いたものである。ただし、ネガティブな意味ではなく、どうせ業を背負うなら盛大に、楽しく俗世を生きていきましょうというポジティブな意味を込めて描いている。
宮本京香